PRESS RELEASE プレスリリース

SDGs特別対談「働きがいの追求」

SDGs特別対談「働きがいの追求」

※撮影のため一時的にマスクを外しています(緊急事態宣言解除後に実施)​

【1】    ナカジツのサステナビリティと「働きがいの追求」について

田瀬様:
ナカジツ様のSDGs宣言内の価値創造モデルを拝見すると、品質における重点領域を「人財・働きがい・サービス・未来への投資」と定義しています。
この“働きがい”というワードを品質の重点領域に含めた背景や想いを聞かせていただきたいです。

杉江執行役員:
不動産・建設業は、一般的に「働きがい」という取り組みがあまり進んでいない業界だと見られています。企業スローガンに掲げる「普通じゃない」という言葉が表すように、私たちは同業界の古い体質を打ち破っていきたいと考えています。
「ナカジツで働きたい!」という想いをもってもらうために、「働きがい」という言葉を大切にしました
そして「働きがい」のある会社を目指すには、まずは「働きがい」の定義について考える必要があると考えています。

田瀬様:
「働きがい」は複合的な要素から感じるものだと思います。ズバリ「定義」となるとなかなか難しいのではないでしょうか。
例えば、SDGsの宣言を見てもナカジツ様は「働きやすさ」というものをすごく追求されてきました。社員の方に話を伺っても、「働きやすい」という声がよく聞かれます。
しかし、「働きやすさ」と「働きがい」は実は別物で、「働きやすさ」はあくまでも「働きがい」の中の一つの要素だと私は思います。

杉江執行役員:
おっしゃる通りです。「働きがい」ある職場にするためには「働きやすさ」は必須であると考えアプローチしてきました。しかし一方で、業務的に高負荷である、いわゆる「働きにくい」状態に対して社員が高いやりがいを感じているということも業界によってはあり得ます。
とはいえ、社員の健康やライフスタイルを守るために、私たちには働きやすさを追求する義務があります。
一点だけを追求しても、「働きがい」は高めることができない・・・。「働きがい」の定義については、いまだに模索中です。

SDGs特別対談「働きがいの追求」

※2018年版日本における「働きがいのある会社」ランキング参加企業への回答結果よりGPTWジャパン作成​

【2】    ナカジツSDGsで掲げる「ワクワクできる職場」とは

田瀬様:
荒川様が代表を務めるGPTWジャパンでは、「働きがいのある会社ランキング」を発表していますが、荒川様は、「働きがい」についてどのように考えていますか。

荒川様:
私たちは「やりがい」と「働きやすさ」という2つの軸で「働きがい」を観測しています。

この2軸で考えたときに、両方が高い職場は「いきいき職場」。
やりがいが高くて、働きやすさが低い職場は「ばりばり職場」。
働きやすさが高くて、やりがいが低い職場は「ぬるま湯職場」。
働きやすさ、やりがいの両方が低い職場は「しょんぼり職場」。

とネーミングして企業の特徴を判断しています
ナカジツ様は業界が陥りがちな「ばりばり職場」を脱却して、「いきいき職場」を目指しているということですね。

杉江執行役員:
そうですね。働きやすい環境と、やりがいを高いレベルで両立することができればそれが理想だと思います。

田瀬様:
ナカジツ様のSDGs宣言では、「働きがい」の項目に“あらゆる仲間がワクワクできる職場づくり”という言葉を掲げています。この「ワクワクできる職場」という言葉に込めた想いは何でしょうか。

杉江執行役員:
ナカジツの経営理念に、「どんな時代も大切な仲間をHappyにする」という一節があります。
「ワクワク」と楽しんで意欲的に過ごしていける社内の空気を構築することが、結果として仕事の質にも繋がると信じているからです
例えば、社員総会において、MVP賞や社長賞を設けて社員を表彰しています。
「ここで働くって楽しいね、ワクワクするね!」という純粋な想いを持ってもらうために、社員1人ひとりがいきいきと働ける会社を目指しています。

田瀬様:
表彰制度は、社員にとって大きなモチベーションとなりますね。
そのほかに、エンゲージメントを高めるための取り組みは行っていますか。

杉江執行役員:
1年ほど前からエンゲージメントの結果を可視化するツールを導入しました。各チームの数値は全社員に公表し、定期的にチームで話し合う場も設けています。

荒川様:
他のチームのスコアを見られるということですか!その透明性は素晴らしいです。
企業の成長のために組織の状態を可視化していくことはとても大切なのですが、その数値を利用して「働きがい」を高めるためには、透明度が重要だということが分かってきています。
弊社の発表している「働きがいのある会社ランキング」を見てみると、上位にランキングされている企業様ほど、可視化された情報の背景や改善に向けた取り組みを、部署を超えて横に展開していくことに注力している傾向にあります。
ナカジツ様の取り組むスコアの共有と透明度の高さは横への展開という観点から考えると、とても理想的だと思います。
その他にもスコアから働きがいを高めるための「鍵」は何かを探るのもいいかもしれません。

田瀬様:
働きがいの「キーワード」のようなものですね。
ずばり杉江様から見て、ナカジツの社員に「働きがい」を抱いてもらうキーワードは何だと思いますか。

杉江執行役員:
一つに絞るのであれば「チャレンジ」です。
仕事や課題に対して果敢にチャレンジすることで自己成長を実感する。その中で「働きがい」は芽生えていくと考えています。
一部の社員に過重がかからないように、また全ての社員が同じように成長機会やチャレンジの場を得られるように、組織体制や制度の整備を推進していきます。

田瀬様:
社員全員が働きがいを持って働くために、「チャレンジ」できる環境を整えていくということですね。

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【3】    「働きがいのある会社」調査から見える、働きがいの高い組織作り

田瀬様:
その他、「働きがいのある会社ランキング」の上位企業に共通している特徴はありますか。

荒川様:
上位の皆様に共通している点は、トップの発信力が素晴らしいということです。
社員に向けてメールやチャット、社内動画などで「トップが今何を考えているか」から、「世界における日本の今の状況」、「自分たちのマーケットの状況」そして「今後の取り組み」を順序立てて発信する企業様が多いです。
背景を伝えたうえで、求める姿や成果を社員全員にしっかりと明示。その求める姿を実現してもらうための制度や環境整備への約束までを必ず発信内容に加えています
また発信方法も、トップからの一方通行ではなくメッセージに対する疑問や質問を受け付け、社員とトップの双方向でコミュニケーションを取れるように工夫を凝らしています。一方的な発信から脱却することで、より深く社員が発信内容を理解・納得できる形を目指している企業様がとても多いのです。

杉江執行役員:
ナカジツにおいても、動画などを用いてトップからのメッセージ発信を行なってきましたが、荒川様のおっしゃる「背景」を現場に伝えきれていませんでした
そのため現在、社内SNSなどの環境面を整備しメッセージへのリアクションを起こしやすいように改善を推進中です。トップからの発信に対して、質問や自分たちの活動のアピールが活発に行き交うような、コミュニケーションの場の創出を目指しています。

田瀬様:
双方性のコミュニケーションの場が、ナカジツ様においても構築され始めているのですね。

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【4】     コロナがもたらす「働きがい」への影響

田瀬様:
昨年から続く新型コロナウイルスの流行は「働きがい」に何か影響は与えていますか。

杉江執行役員:
社員が一同に集まるような催しが難しくなったのはもちろんですが、もっと些細な日常の挨拶や雑談といったコミュニケーションが、会社の色や空気を作り、「働きがい」や会社らしさといったものを構築しているのだと気づかされました。
日常を制限されると、「ナカジツらしさ」がこんなにも抑えこまれるのだと痛感しています。

田瀬様:
荒川様はどうでしょうか。新型コロナウイルスによって「働きがい」についての変化を感じますか。

荒川様:
新型コロナウイルスの流行という社会の大きな変化の中で、人々の「働きがい」の変化というのは、我々もすごく注目しており研究を進めています。その中で見えてきたのが、2つの大きなポイントです。

一つ目は「尊重のマネジメント」。
会社や上司が働く環境や働き方について働く一人ひとりに配慮できているか。

二つ目が「信頼のコミュニケーション」。
リモートワークなどで互いの働きが見えない中で、上司と部下がいかにコミュニケーションをとり信頼関係を作れるか。

この2つがコロナ禍の「働きがい」に大きなインパクトを与えていることが判明しました
特に「尊重のマネジメント」は重要な要素になっていくでしょう。働く環境や、働き方について考える機会が増えたことで、会社や上司がそういった面を配慮しているか、働く一人ひとりが今まで以上にダイレクトに反応する傾向が表れてきました。この傾向はコロナ禍が落ち着いたとしても続いていくことが考えられます。

田瀬様:
テレワークなどの「新しい働き方」への対応といったところですね。

荒川様:
もちろん先ほどお話に出ていたような、対面でのコミュニケーションによって生まれる、「会社らしさ」は非常に大切なものだと思います。
しかし、若い層を中心にテレワークの方が「効率的に働ける」と考えている人たちも多数います。その想いを企業は一概に押さえつけるだけではいけません。
そういった社員の多様な想いを尊重しつつ、どのように「会社らしさ」を強めていくか。今後「働きがい」を追求する企業様は、「新しい働き方」への対応が必須となっていくことが予想されます。

田瀬様:
では、最後に荒川様からナカジツ様へ、応援の言葉をいただけますでしょうか。

荒川様:
お話を伺う中で、ナカジツ様は「働きがい」の向上のために、様々な取り組みを進められていることにとても感動しました。
そして、取り組みだけでなく「ワクワクできる会社を目指す」などの明確な想いも持っておられます。
こういった「想い」を常に発信して語り掛けていただきたいです。

最後に一点だけ、私からナカジツ様に強く期待したいことがあります。
真に「働きがい」の高い会社では、性別の区別なく成長の機会が用意されています。業界としては難しさがあることは承知していますが、働きがいの向上を目指すナカジツ様において近い将来、女性の執行役員が登場されることを非常に楽しみにしています。

杉江執行役員:
部長などを務める女性社員は少しずつですが登場してきています。これからも労働環境や評価制度の整備に注力し、誰もが「働きやすい」会社を目指すことで、女性社員の活躍を後押ししていきたいと考えています。

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8 働きがいも経済成長も

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