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第2回 SDGs対談を実施しました

第2回 SDGs対談を実施しました

※感染予防対策を実施した上で撮影しております

ナカジツが多文化共生社会を目指す背景

第2回 SDGs対談を実施しました

土井様:
ナカジツ様は、なぜ外国籍の方に対する取り組みをSDGsの活動に取り入れようとお考えなのでしょうか?

北川副社長:
SDGs宣言におけるナカジツのテーマは、あらゆる事業における「品質の向上」です。このテーマの実現に向けて策定した「価値創造モデル」では、

①人財の質を高める
②働きがいを追求する
③サービス基盤を強化する
④未来へ投資する

という4つの重点領域を軸にした取り組みを示しています。中でも「④未来へ投資する」には、「事業を支えてくれる人(地域)たちを意識した会社づくり」がテーマに含まれています。

日本に住む外国籍の方は急増しており、愛知県の中でも特に三河エリアには多くの外国籍の方が住まわれています。

私も営業の経験がありますが、外国籍の方にも日本で暮らしていきたい・物件を買いたいというニーズがあることを実感しており、そのニーズに応えられるようにすることは、「事業を支えてくれる人(地域)たちを意識した会社づくり」を形成することのひとつだと考えています。

本日の対談では、こうした多文化共生という視点に関し、学びを深めさせていただきたいと思います。

土井様が代表理事を務められる多文化共生リソースセンター東海様ではどのような活動をされているのですか?

土井様:
私どもは、外国籍の方を支援する団体(日本語を教えるボランティアや通訳サービスなど)の活動のバックアップを行っています。それらの団体の多くは、資金面や人材不足など様々な悩みを抱えています。企業に例えれば、経営者協会様が企業の応援をするように、私たちの団体は、実際多文化共生に取り組んでいる民間団体や企業、行政の方々にお話を伺い、アドバイスを行います。その活動に12年ほど取り組んでおります。

北川副社長:
すばらしい活動ですね。私が出会った外国籍のお客様で多かったのは、自動車関係の工場にお勤めのブラジル国籍の方です。しかし、住宅のご成約まで結びつくことが少なかったです。ここには何かしら社会的背景があると思うのですが、土井様はどのようにお考えですか。

土井様:
現在日本で急増している外国籍の方のほとんどは留学生と技能実習生です。そうすると、製造業などで生産側として労働には就いていますが、稼いだ分の大半は学費と母国への仕送りに使われます。そして3~5年すると母国へ帰ってしまうため、日本で家を買う外国籍の方は決して多くないと私は思っています。そうした方が日本で家を買うためには、日本に来た方たちが日本で就職し、安定した生活を送る中で家を買えるような給料を得られる、ということが重要です。つまり、今後も日本で生活したいと思ってもらえるような環境にしていくということが鍵になると思います。

外国籍従業員のキャリアプラン

第2回 SDGs対談を実施しました

北川副社長:
そのためにもSDGsへの取り組みを強化していく必要がありますね。ナカジツでも外国籍の従業員が今後増えていく可能性があります。現在ナカジツには、韓国籍やベトナム籍の合計10名の外国籍従業員が在籍しています。業務時においては、なるべくお互いを理解するために、外国籍の従業員が業務中に苦労することはないか上司や先輩が常にヒアリングしています。お互いを知るためにもバックグラウンドは共有しないといけませんよね。

土井様:
大切なことですね。ブラジル国籍の方が多く働いている製造業では、食堂での食べ物への配慮としてメニューの中にブラジルの料理を入れたりするケースもあります。すると、「自分たちが働いていることに目を向けて対応してくれている」と感じるそうです。そうした企業は、外国籍の従業員の離職率が低い傾向にあります。特別なことではなく、もし自分たちが海外で働くことになったらどんなことを考えるのかを思いながら向き合うことで、働きやすさ、喜びにつながると思います。

北川副社長:
とても必要な視点ですね。それから、モチベーションを高く保つためには、外国籍の従業員には日本で何を頑張りたいのかをしっかりと訊く必要もあるのではないでしょうか。

土井様:
そうですね。どんなキャリアをイメージしながら今日本にいるのかを話すことは、お互いにとって非常に良いことです。多くの方は、日本での経験を活かしたいと思っているはずです。日本語ができたほうが、帰国後の次のステージにおけるメリットになりますから。そのために必要なのが、丁寧な日本語教育。教育を受けた技能実習生が母国に帰り、関連会社を立ち上げ、派遣先だった日本企業と取引するケースも多々あります。お互いがメリットを実感できると思います。

北川副社長:
確かにそうですね。今後のサステナビリティを考えながら、ナカジツは全従業員がさらに居心地良く働きがいを追求していかれるような企業づくりに取り組みたいですね。ナカジツをはじめとした企業や団体、行政などの取り組みにより、外国籍の方が安定して日本に住むことができるようになった将来、従業員や地域社会にお住まいの方が住宅の購入を考えたときにはどういった取り組みが必要になるとお考えでしょうか。

土井様:
外国籍の方の住宅購入においては、購入するとどんなオプションがつくのかが大事だと言われています。月額のローンにプラスして、週に一定の時間までは通訳などのサポートが得られる、といったオプションを用意するなど、有用なサービスに対してのニーズは高いと思います。日本語を勉強したい方には日本語教室を紹介したり、困りごとがあった際の相談窓口としてコールセンターを設けるなどのサービスも、住みやすさにつながりますよね。

今後ナカジツができる外国籍の方に向けたサービスとは

第2回 SDGs対談を実施しました

北川副社長:
ナカジツは外国籍の方向けにFacebookを利用して「Borderless Nakajitsu(ボーダレスナカジツ)」という、物件情報を英語やポルトガル語など多言語で掲載するページを運営しています。そのサービスをさらに多くの方々に発信していくため、次なる施策を検討しています。

土井様:
どのようなコミュニティに向けて発信していくのかを決めるのもいいかもしれません。以前、外国籍の方によく使用するSNSのコミュニティを訊いてみたところ、「Facebookでここのグループに発信すれば影響力のあるリーダーが伝えてくれるよ」と教えてくれました。検索してみると、日本への元留学生や元技能実習生が集う100万人ほどのコミュニティがあり、そこでは日本のニュースがたくさん流れていました。そうしたコミュニティへ情報を流すことで、問い合わせ数の増加が望めるかもしれません。

北川副社長:
その視点はおもしろいですね。ナカジツは2018年にベトナムのハノイ市に現地法人を設立しました。土井様のお話にあるベトナムのコミュニティなどをはじめとした外国籍の方の情報をもらいやすい環境が整っていると思います。

今後、日本国内に外国籍の方の人口が増えることに関し、どのような取り組みを行うことが企業の競争優位性につながっていくか、土井様のお考えをお聞かせください。

土井様:
現段階で増えているとはいえ、外国籍の方の雇用や、専用のサービスの分野に着手されている企業は非常に限られています。そのため、生の声を聞き、それを事業やサービスに反映させることは企業の企業優位性につながるでしょう。

大手住宅メーカーから、「外国籍の方に求められる住宅とはどういったものなのか」と、私たちの団体に問い合わせが来たことがありました。調べたところ、外国籍の方は母国に比べて日本のキッチンの床からの高さが低いため、使いにくいと思っていたそうです。外国人の方々がキッチンの高さを求めていたとは、言われないと気がつくことは難しいですよね。このようなニーズに応えていくという分野はまだまだブルーオーシャンだと思います。

北川副社長:
土井様からお話をいただき、ナカジツとして、積極的に取り組んでいくことが山ほどあることを改めて認識できました。私自身、目から鱗が落ちる話ばかりでしたし、今後外国籍の方の雇用やサービスの充実にも挑みたいと考える従業員が増えると思います。ナカジツは今後も様々なおもしろさややりがいを味わいながら「事業を支えてくれる人(地域)たちを意識した会社づくり」に力を注いで参ります。土井様、本日はありがとうございました。