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第3回 SDGs対談を実施しました

第3回 SDGs対談を実施しました

※2020年12月25日に実施しました(撮影のため一時的にマスクを外しています)。

「人財の質を高める」を重点取組領域として置いている背景

第3回 SDGs対談を実施しました

田瀬様:
ナカジツ様の「SDGs宣言」の図を拝見すると、中心に「ナカジツの仲間」を配置しています。人財的な要素をSDGsの中心に据えたのは、どのような想いがあってでしょうか。

北川副社長:
ナカジツでは創業以来「人は財なり」を経営理念に置き、人財は企業の芯とし最も重要なこととして捉えています。企業としての成長ももちろんですが、大前提には社員が「楽しく」、「やりがい」を持って働くためにも人財を中心に据えるべきだと考えました。

また、人財が定着しないというマイナスなイメージを持たれている不動産業界全体のイメージを払拭したいという意図も込めています。

田瀬様:
安田様が執行役員を務められる、エクサウィザーズ様では、人財についてどうお考えですか。

安田様:
人財については「採用活動」が大切だと考えています。企業における人財とその成長を「種」、「土」、「肥料」に例えた話を聞いたことがあります。企業として最良の土壌を整え、人材育成といういい肥料を提供する努力を怠ってはいけませんが、風土にマッチする人財、「自社におけるいい種」を見極めることが、まず大切だと思います。

現代の採用活動は、知識や能力、経験といった面が重要視されがちです。双方のミスマッチを防ぎ、誰しもが自分らしく働ける社会を作るためには、もっと人としての本質的な部分を深く理解することが大切だと思います。

田瀬様:
即戦力性を求めすぎてしまい、「人格」や「志」、そして「一緒に働きたいかどうか」といった面の優位性が落ちてしまっているということですね。ナカジツ様は、採用活動においてどのような点を重視していますか。

北川副社長:
「価値観」の共有が重要だと私は考えています。働いて得られるものは様々あると思いますが、その方が何にどのくらいの価値を置いているのか。それに対して当社はそれに値するフィールドを用意できるのかという点は重視しています。そのため、過去の行動とその背景まで時間をかけてお伺いするようにしています。

安田様:
「自分の価値観が理解されている」という思いは、やがて「自分という存在を深く理解してくれている」と企業に対して感じることにつながります。一人ひとりが、あるがままの姿で「自分らしく」働ける企業を目指すのであれば、自分の思想や行動を「馬鹿にされない」、「聞いてくれる」という心理的安全性は、仕事や課題に対する自発的な取り組みを活発にし、企業成長の根本に強く関わるとして、いま注目されています。「存在が認められている」と「存在を認めてもらうところから」では仕事のスタート地点が全然違うはずだからです。

田瀬様:
心理的安全性がもたらす企業としての成長は、提供するサービスの「品質向上」につながっていくはずです。ナカジツ様に関していえば、SDGsで目指す点について、あらゆる事業の「品質向上」を掲げているだけに、より重要すべき観点と言えますね。一方で品質向上のためには、採用活動に加えて教育という点も大切になってくると思いますが、その点についてはいかがお考えでしょうか?

北川副社長:
重点的に取り組むべきテーマだと考えています。
「働き方改革」によって社会は変化の時を迎えています。ナカジツにおいても一人ひとりが働きがいを感じられる企業を目指し、業務効率化と全社横断型の働き方を追求し、教育制度や業務フローを見直し組織自体を再構築しました。従来の人財教育は「あの人の背中を見て学べ」というスタイルで言語化ができていませんでした。技術や経験をしっかりと言語化し、誰もが等しく学びの機会が与えられるように、共通の教育カリキュラムを改めて作成しています。

「働きがい追求」のために

第3回 SDGs対談を実施しました

田瀬様:
企業の成長に合わせて、今まさに新たなカリキュラムを構築している最中ということですね。

ナカジツ様のSDGs宣言の中には、「働きがいを追求する」という重点領域があります。社員の「働きがい」や「モチベーション向上」のためには「評価制度」という面は避けて通れないと思いますが、何か取り組みはしていますか。

北川副社長:
評価制度を一新しました。

「あらゆるひとがいつまでもわらって暮らせる世の中へ」というナカジツのSDGsの目標を実現するためには、従来の評価制度では足りていないと感じていました。

例えば、営業として優れた成果を上げながら、マネジメントに昇進した際に力が発揮できない人財の場合、営業として高い能力があるにもかかわらず、その方が十分に活躍しきれていない状況がみられました。

従来の人事制度では、「他に道はないけど、先は明るいから気合で一本道を進もう!」と言っているような状態で、ある意味、一人ひとりの多種多様な個性を伸ばすという観点が抜け、型にはまったキャリアパスを強いる形になっていました。

一人ひとりの能力を最大限に活かしてもらうため、役職より役割に重きを置く「ミッショングレード」制度を導入しました。

田瀬様:
従来の一律の成果主義だった人事評価から、各個人に職務や成果について明確な到達目標点を示して達成率で評価するミッショングレードへ切り替えたわけですね。

安田様は人事評価についていかがお考えですか。

安田様:
私が一番大事だと思うのは、「擦り合わせる」ことです。評価の場で話し合いながら、認識を揃えていくプロセスがすごく大事で、一番価値があると考えています。

北川様の話を伺う中で、ナカジツ様では、「あの人はどうやっているのか」という経験値を言語化、共有していくことを大事にしていると感じました。

私は、評価が「何のため」、「誰のため」のものなのかを常々考えています。北川様はそういった面はどのように考えていますか。

北川副社長:
評価そのものの存在意義ですよね。私はあくまでも「上司・部下の正しいコミュニケーションのためのツール」だと捉えています。何ができていて何ができてないかを明確にすることで、正しい目標に定めて、伴走していくためのツールだと思います。

安田様:
私は、面談時にはまず「この面談は何のためにあると思う?」と聞くようにしています。そして、あくまでもあなたの成長のための時間だと明確に伝えています。

評価制度を、第一に社員とのコミュニケーションツールだと位置づけられている、ナカジツ様も同じ考えではないかと感じました。

田瀬様:
続いて、多様性という観点についてお伺いしたいのですが、ナカジツ様のSDGsには「マイノリティグループも働きやすい環境づくり」という言葉があります。多様性の尊重について企業としていかがお考えでしょうか。

北川副社長:
今までは、企業の成長に合わせて新たなポジションを創出し、受け皿を増やしながら、多様性を受け入れる体制づくりをしてきました。企業の成長とともに義務的に課されるものに対応していくという意識が強かったと思います。しかしながら、インクルージョンとしては不十分であると認識しており、これからの課題と捉えています。

育児と仕事が両立できる職場づくり

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田瀬様:
義務という面でいえば、産休・育休についてはどうでしょうか。人生の節目を迎えた社員は、これらの制度を利用すると思います。ナカジツ様では産休・育休などの休暇制度や、復職について、企業として「支援」や「後押し」していく必要性をどうお考えでしょうか。

北川副社長:
必要だと考えます。産休・育休はナカジツでも多くの社員が利用しています。しっかりと子育てに向き合って大切な時間を過ごしてほしいです。そして子育てがひと段落したら、またぜひナカジツのために力を貸してほしいと考えています。

とはいえ、不動産業界は原則火曜日、水曜日が休日。その点がネックとなり社員がやむを得ず退職することもあります。これは企業として大きな損失です。そのために、復職先として週末休みの部署を新設するなどの対応をしてきました。

しかしながら、キャリア形成に重きを置き、休暇の取得に柔軟に対応するなどして、同じ職場に復帰できる体制づくりを検討していきたいと考えています。

田瀬様:
業界特有の復職へのハードルがあったのですね、そこを根本から変えていきたいという意気込みを感じました。

安田様は産休・育休や復職などについてどのように考えていますか。

安田様:
私は、出産や育児が「特別」ではなく、「当たり前」というマネジメントをしなければならないと思います。

復職にはもちろん、本人の覚悟がいります。同時に、本気で応援するひとが周囲にいるかが重要です。「営業でやりたいなら、全力で応援するからやってみる?」と周りが言ってあげられるかどうかが大切だと思います。

私の同僚にも、まもなく育休を取得する男性がいます。子育てと仕事を両立させたいという選択肢をとる男性は今後増えていくはずです。社会全体で産休や育休、働き方の多様性について考える時代が来ているのです。

2030年(SDGsの達成目標)の目指す姿

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田瀬様:
最後に、2020年からを「行動の10年」としてスタートしたSDGsですが、達成目標の2030年頃には、どんな企業になっていたいと考えていますか。

北川副社長:
2030年はナカジツにとっても節目の年になると考えています。大きな目標としては、売上1000億円を目指しています。120%ずつ成長していくと丁度10年で到達できます。創業からこれまでの成長スピードが平均120%ほどなので、現状の成長のスピードを損なうことなく、歩んでいこうという目標になっています。

その頃には、従業員も数千人となっているはずです。規模が変わろうともナカジツとしての根本的なところである、「人は財なり」の理念を見失わず、社員一人ひとりが「輝いて働ける姿」を目指していきたいです。

安田様:
お話を伺う中でナカジツ様は、自分たちが「何者」であり、世の中に対してどんな「価値」を提供して、「幸せ」になっていきたいのかという目標と共に「ナカジツらしさ」を明確に持っていると感じました。

目標に対して志を持って向かっていける企業は、持った夢の分だけ成長していく姿を描いていけると思います。目標を実現しながら「社会」と「自分たちの仲間」と、「お客様」を全部幸せにする姿を見せてほしいです。地元出身者として熱く応援させていただきたいと思っています。